小さい頃、ゲームで遊ぶことを禁止されていました。
勉強の邪魔になるといった理由だけでなく、母が潔癖で、モンスターや魔法などの創作物が出てくるものはゲームでも小説でもNGだったのです。
とはいえ、おとなしく我慢する子どもではなかったので、お年玉でこっそりゲームを買って遊んでいました。
特によく遊んだのは、ファイナルファンタジーⅦとスターオーシャンセカンドストーリーです。
簡単に内容を紹介します。
ファイナルファンタジーⅦ
スターオーシャンセカンドストーリー
様々なゲームを攻略本を片手に遊びつくしました。
ゲームをやった分、勉強時間などは減ってしまったのですが、大人になったいま振り返ってみると、良い影響がたくさんあったと思います。
ゲームをやっていなかったら今の自分にはなっていないはず。
特にRPG(ロールプレイングゲーム)から受けた影響は大きいものでした。
ストーリーを理解する力が養われたと思いますし、ゲームをきっかけに友達と話すことができました。
でもRPGの神髄は「他の世界で他人の成長を体験する」ことだったと思います。
1.他の世界を体験する
RPGは現実とは異なる世界が舞台となっています。
モンスターがいたり、魔法が使えたり、現実にはない職業があったり。
その世界独自の歴史や社会があり、そこに暮らしている人がいて、現実とはまるで違う生活をする様子が描かれています。
ゲームとはいえ、自分の生きている世界とは違う、他の世界がそこにあるという感覚は、現実の世界だけが全てではない、という視点が広がるきっかけになったように思います。
それは逃げ場所の少ない子ども時代には貴重な財産で、辛いことがあったときにゲームの世界が心の避難場所になったりしました。
小説や映画でも他の世界を見ることはできますが、自分がその世界のキャラクターになって動くことができるというのはゲームならではの魅力で、経験値が倍以上になると思います。
2.他人を体験する
RPGでは主人公のキャラクターを操作して、世界を歩き回ります。
主人公はほとんどの場合、現実の自分とは全く違う属性を持った、赤の他人です。
けれど、主人公となるキャラクターを中心にストーリーは進んでいくため、必然的に主人公という赤の他人の立場や感情を考えることになります。
時には強く感情移入して、自分のことのように喜んだり、仲間の死に涙したりすることも。
学校では思いやり(=他人の気持ちになって考えること)の大切さを教えられますが、現実ではどう頑張っても他人になることはできません。
RPGでの他人の経験は、現実の人間関係にもフィードバックされたのではないかと思っています。
3.成長を体験する
RPGは主人公の成長物語です。
レベル1(弱い状態)から始まって、敵を倒して経験値を貯めたり、与えられた課題をクリアすることによって、できることや仲間を増やしながら、身体的にも精神的にも少しずつ強くなっていきます。
現実はゲームのように単純ではないし、必ず成功できるとは限りませんが、流れはすごく似ていて、だからこそ擬似的な成功が大事だと思うのです。
できないことに立ち向かうために、自分を鍛えたり、人の助けを借りたりといった方法のヒントになるだけではなく、今はできなくてもきっとクリアできるという自信が、現実の自分の背中を押してくれるように思います。
また、特に大作のRPGはピンチと葛藤の連続で、クライマックスには世界を救うか愛する人を選ぶかというような、途方もない難題を投げかけてきたりします。
その頃には単なるゲームだからと言えないくらい自分事のように真剣に、悩んで、行動し、結果を見届けることになります。
ゲームの経験が現実の心の成長にリンクする。
絶対的な安全圏でこの経験ができるのはすごいことだと思います。
まとめ
上のようにいろいろ考えて、私の中でRPGは最高の教材だという結論になりました。
でも単純に、RPGは面白くて、私の人生を豊かにしてくれました。
夢中になった時間は無駄ではなかったし、自分の子どもがやりたいと言ったら、ぜひ心行くまで楽しんでほしいと思います。