星の見えない街でも、昼でも、雨でも、美しい星空を映しだしてくれるプラネタリウム。
心地よい暗さの中で、寝てしまうこともよくあります。
プラネタリウムは星を投影する機械のことなので、ドーム状の建物だったり、家庭用の小さいものだったり、楽しみ方は大小さまざま。
今回はそんなプラネタリウムが登場する小説を集めました。
星降プラネタリウム
架空のプラネタリウム施設『コズミックホール渋谷』で解説員として働くことになった青年の物語です。
青年は「星降村」と改名された離島の出身。
故郷の名前が変わってしまったことに複雑な思いを抱いており、プラネタリウムへの配属も望んだものではありませんでした。
青年はそのプラネタリウムで、魔女と呼ばれる先輩解説員の弟子として、星に向き合うことになります。
全編を通して星を楽しむことができる、とても爽やかなお仕事小説です。
三軒茶屋星座館
三軒茶屋の裏路地にあるプラネタリウムバーを舞台としたシリーズ作品です。
店主の和真が語る星座解説は型破りでコミカル。
神話を知っていても知らなくても、思わず笑ってしまうと思います。
ある日店にやってきたのは、和真の弟と娘だという月子。
和真は月子のもう一人の父として、月子と暮らすことになります。
この不思議な3人の親子とバーに集う仲間たちが、神話のような悲しさもはらんで織りなす絆の物語です。
流れ星が消えないうちに
高校の文化祭で、手作りのプラネタリウムをきっかけに恋人同士となった加地君と奈緒子。
けれど突然の事故により、異国の地で加地君は亡くなってしまいます。
悲しみの中で奈緒子に寄り添ったのは、文化祭で流星発生装置作りを手伝い、加地君と奈緒子の仲を取り持った巧。
二人はそれぞれに加地君の思い出を抱えながら心を重ねます。
流れ星がとても印象的な、喪失と再生の物語です。