私がずっと使っているレコーダーの一番古い地層に「飛び出せ!科学くん」のある回が残っています。
それは、風船カメラを空に飛ばして宇宙から地球を撮影する回です。
それ以前からアメリカでスペースバルーン撮影が行われたというニュースは知っていたものの、この番組は衝撃でした。
まず、風船とカメラが宇宙まで届くということ。
撮影したカメラが回収できること。
そして、宇宙から撮った地球の輪郭がとんでもなく綺麗だったこと。
あのスペース・アース・ブルー色(適当に作りました)は今でも忘れられません。
この番組には明星電気さんが協力されていたそうです。
その後、ネットで調べてみると、個人でも岩谷圭介さんという方が「ふうせん宇宙撮影」をされていると知りました。
日本で、しかも個人でできるんだ!というのは、本当に驚きでした。
何人も何億円もかけて目指す場所に、ふうせんは軽々到達してしまう。
手が届かない場所だった宇宙が、今いる地上からたしかにつながっている場所なんだという気がしました。
それから何年もたって、子どもが生まれて、手に取った絵本がこちら。
地上から宇宙までどんどん上昇していく様子を描いた絵本です。
表紙からも分かるように、ふうせんが登場します。
しばらく気づかずに、この絵本最高…!と思って読んでいましたが、作者があの岩谷さんじゃないですか。
もしかして他にも本を書かれているのではと調べて、 こちらの2冊を読みました。
子ども向けの本ですが、岩谷さんがふうせん宇宙撮影をしようとしたきっかけや、1号機を飛ばすまでにしたこと、2号機以降の試行錯誤の様子が、たくさんの図を交えながら丁寧に説明されています。
ほとんど情報が無い中で、実験を重ね、本当に地道に続けたことで宇宙までたどり着いたんだなということが分かる本です。
方法だけではなくて、岩谷さんがどう考えてそうしたのかが分かりやすい言葉で綴られています。
自分の子どもにも、小学生のときに読んで欲しいなという素晴らしい内容でした。
こちらは大人向け。
「ふうせんで宇宙を見たい!」では、ふうせん宇宙撮影を始めるまでと宇宙を撮影できるようになるまでの部分に多くのページが割かれていましたが、この本ではもう少し先の部分に重点がおかれています。
けれどもやはり失敗と工夫の連続。
岩谷さんだからこそ成功することができたんだなぁと感じるエピソードが満載です。
実際に飛ばしてみたい人向けの簡単な設計図や、上空に物を飛ばすことにあたっての許可取りの話まで載っています。
こんなに公開しちゃっていいのかなというくらい充実した内容でした。
読むことでさらに宇宙が身近になった3冊。
空が爽やかなこの季節におすすめです。